t-PA療法ってなに?合併症に注意!

脳梗塞

この記事はt-PA療法についてかいていきます

ちょっと長めで難しい話になりますが、なるべく簡潔にまとめているのでぜひ参考にしてください☺︎

ラクナ梗塞の定義と症状はこちら

脳梗塞治療はスピード命

脳梗塞の発症から4.5時間以内に治療が開始できることが望ましいとされています。

早期に治療が開始できる場合t-PA療法という治療が行えます。

なぜ4.5時間以内?
梗塞がおこると時間の経過とともにどんどん脳は壊死していきます
4.5時間以内に治療をして血管が再開通すれば改善が見込めます。
逆にそれ以降にt-PA療法をしてしまうと後述する副作用のリスクのほうが高くなります

t-PA療法とは

脳梗塞の治療のひとつで、血管に詰まった血栓を溶かす薬剤を投与する治療です

t-PAは組織性プラスミノーゲン活性因子のこと

アルテプラーゼという薬剤を静脈内投与します。

適応は発症から4.5時間以内に加えて出血のリスク要因がない人となります

総投与量の10%を急速静脈注射、残り90%を60分かけて静脈内に点滴で投与します。

作用機序

アルテプラーゼはフィブリンに結合する性質をもちます

血栓の主成分はフィブリンなので、つまり血栓に結合します

血栓にあるプラスミノーゲンという物質を活性化しプラスミンへと変換させ、血栓の主成分であるフィブリンを分解します

プラスミノーゲンとは
肝臓で産生されるタンパク質。
ウロキナーゼやtPAによって活性化される。

このため血管に詰まった血栓がとれるわけです

t-PA療法の副作用

副作用で1番危険なものは脳出血(出血性脳梗塞)です

発生頻度は4〜5%

血栓が溶けて再開通したときに脆くなった血管が耐えきれずに出血するものです

脳梗塞とは無関係の部位に出血することもあり、注意が必要です

また、血栓を溶かす薬剤を使用しているため全身の出血(消化管出血、尿路出血、鼻出血など)発熱、血圧低下、貧血のリスクがあります。

t-PA療法による出血リスクは約24〜36時間続きます

t-PAによる出血リスクはかなり高く、投与禁忌も多いです。
もとから出血リスクのある人は禁忌となります
禁忌事項は多くあり、ひとつでも当てはまれば対象外です

まれにですがアナフィラキシー、不整脈、血管浮腫、頭痛の副作用も報告されています。

観察ポイント

上記の副作用の発生(とくに脳出血)には注意が必要です

頭蓋内圧亢進症状、脳ヘルニアの症状がないか観察しましょう

出血性脳梗塞についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

そのほか出血による貧血や血圧低下にも注意が必要です

凝固系の採血データも忘れずにチェックしましょう

まとめ

t-PA療法は2005年から開始された比較的新しい治療です

効果が高いかわりに副作用や合併症のリスクも高く、適応となった場合は細かな管理が必要です

注意点を勉強して異常があれば早期発見できるようにしましょう!

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