造影剤を使うときの看護を徹底解説

新人看護師

時々ある造影剤を使用した画像検査

突然造影剤を使うとなったときに慌てないよう造影剤について勉強していきましょう✏︎

造影剤ってなに?

まず造影剤とはなんでしょうか。

大きく言えば画像診断の際により詳しく病変を映すための薬剤のことをいいます

単純検査では見えない病変も造影剤を使用することで見つけられるようになります。

血管に直接注入します。

MRIの場合はMRI用のガドリニウム造影剤、CTはヨード系造影剤が用いられます。

造影剤使用時の流れ

検査室に到着したら、多くは右腕にルートキープをします。

血管外漏出を防ぎスムーズに造影剤を注入するため18〜20Gの針を使用します。

右腕からの注入のほうが心臓までの距離が短くスムーズに造影剤が到達するので画像が鮮明になりやすいという利点があります。
ただし状況によっては左腕でも可能です。

造影剤はMRIなら0.2ml/kg(5〜15ml)、CTなら100ml程度注入します。

CTの場合は投与量が多いため造影剤用の自動注入器(インジェクター)を使用します。

インジェクターの操作は私の施設では技師さんが行いますが、看護師がやるところもあるかもしれません(確認をお願いします)

注入後は施設のやり方に従い検査中は待機します。

MRIであれば造影剤が少量なのでワンショットで注入することが多いです。

注入に問題がなければ一旦病棟に戻り、検査後お迎えに行くことが多いかと思います。

終了後副作用の確認をし抜針します。

問題なければ終了です。

血管外漏出がおきた時の対応

造影剤の漏出による症状は疼痛、腫脹、発赤であれば軽度で、通常は数日で症状は改善します。

重度になると潰瘍、水疱

最も重症化するとコンパートメント症候群となり著明な腫脹、疼痛、動脈拍動の減少、四肢蒼白、知覚異常、運動障害が起こります

コンパートメント症候群とは?
コンパートメントとは、筋膜と骨でかこまれた閉鎖区域のことです。
造影剤が漏れたことによりここの圧が上がり、血管が圧迫され虚血状態となります。
その結果最終的には壊死してしまう状態です。
治療は圧を下げて血流を維持するために筋膜の切開が必要となります。

造影剤が漏出したときは可能な限りルート内の造影剤を回収し、漏出部位を挙上します。

少量なら観察のみや軽い冷罨法、多量であれば炎症を抑えるため冷罨法を行います。

疼痛や皮膚障害がある場合ステロイド薬抗炎症剤、鎮痛剤を使用します。

症状が悪化していたり潰瘍や水疱がある場合は皮膚科に相談します。

造影剤漏出時の対応は施設にマニュアルがあったり、検査室に書いてあることもあるため確認しておきましょう!

副作用

副作用の発生頻度は1〜2%と言われています。

軽いものでは嘔気、嘔吐、めまい、熱感、皮膚の異常(発疹、痒み等)、くしゃみ、倦怠感

重篤な副反応は冷や汗、血圧低下、呼吸困難、アナフィラキシーショックなどがありますが、ごく稀です。

注意が必要な人

・肝機能、腎機能が低下している

・アレルギー体質

・喘息の既往がある

・以前造影剤使用時に副反応がおきた経験がある

・授乳中である

造影剤は代謝され尿で排出されるため、肝機能や腎機能の低下する疾患がある人は注意が必要です。

また、造影剤は少量(0.01%未満)母乳に移行します。

しかし乳児への影響はほぼないため事情がない限り制限はありません。

希望があれば24〜48時間授乳を中止します。

造影検査時の注意点・観察

検査前

緊急時以外は検査前の食事は摂らないことが多いです。

腹部の検査の場合は正確な検査結果が得られなくなるため、造影剤使用時は副反応の嘔吐が起きた場合に誤嚥することを防ぐためです。

具体的な時間はマニュアルを確認してみてください。

検査中

造影剤が注入されたときに体が熱くなりますが、正常の反応であると説明します。

また、その他の症状が出たらすぐに教えてもらうように伝えておきましょう。

検査後

造影剤は検査後24時間で98%程度尿として排出され、結果的には体内に残りません。

排出を促すため水分摂取を促します。

検査後に気分不快やアレルギー症状があればすぐに教えてもらうよう説明します。

ごく稀に最も遅いと2日程度してから副作用が現れることもあります。

全身状態の観察も行いましょう。

まとめ

造影剤使用時は医師や技師さんなどもいてなかなかゆっくり確認しながらやることが難しいこともあります。

基本的な知識を入れた上で施設のマニュアルを確認して、安全に検査ができるようにしておきましょう☺︎

Xもやっているのでぜひ遊びに来てください♪

(日常をつぶやいているだけですが笑)

X→shina_brainurse


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