新卒からの3年間を大学病院、そこから転職し中規模病院に勤めている私の
個人的!大学病院と中規模病院の違いを書いていきます✏︎
両方の病院を経験したからわかることを書いていますので、転職や就職先を選ぶときの参考にしてくださいね☺︎
病院の規模感
私が勤めていた大学病院は三次救急の1000床を超える病院でした。
対して現在勤める中規模病院は200〜300床くらいです
大学病院にはない回復期リハビリテーション病棟や療養病棟もあります
逆に救急病棟やICUなどはありません
総合病院とは違って診療科も限られています
救急車もなんでも来るわけではなく、産科や小児科など医師のいない診療科の入院はありません
大学病院は3次救急として緊急度の高い疾患の治療や教育機関や研究機関としての役割
中規模病院は地域医療を支え地域に密着した医療を行い、大規模病院と診療所の中間で急性期から慢性期・リハビリまで幅広い医療を提供する役割
上記のようにそれぞれに役割があります
大学病院の人間関係はけっこう楽
次はそれぞれの人間関係やスタッフの特徴について
私が感じたことがメインなので病院によって違いはあるのでご参考まで…
まず大学病院の看護師は若めです!
附属の大学から来ていたり全国から人が集まります。
同期の人数も多く、研修が一緒にならないと顔も名前もわかりません。
病院の規模が大きいほどスタッフの人数も増えるため他の病棟の人との関わりは薄くなりがちです。
またいろいろな部署がありすぎて把握しきれません…笑
忙しいため結婚や出産すると退職する人が多く人の出入りは激しいです
3次救急だと急性期の治療が終わればすぐに退院してリハビリ専門の病院や施設へいきます。
そのため体感的にはいつの間にか退院先が決まっている感じで(実際にはカンファレンスしたりありましたが)特に他部署のスタッフと連携しているという感覚は薄かったように思います。
また、業務中もあらゆることがリーダーorクラークさんor師長を通してだったので、自分から他部署に連絡することがほぼありませんでした。
スタッフの出身地も様々で身内ネタっぽいものはほぼなかったです。
私は限られた人と関われば良かったのでけっこう楽でした!
中規模病院はみんな知り合い
それと比べると中規模病院はやはり地域に密着しており患者さんもスタッフも近くから来る人が多く近場の話になりがちです。
家庭がある人が多いことも理由かもしれません
比較的大学病院よりも忙しくなく定時帰りもできるので子持ちのスタッフが多いです
そのためちょこちょこ誰かが休みますが、お互いさまの雰囲気はあります
スタッフの年齢層は高めで、他の仕事をしていた人が看護師になって就職してくるパターンも多いです。
部署が少ないためスタッフの人数も少なく、他の部署の人とも顔見知りだったり仲が良かったりします。
あとは新人さんは少ないです!
100人単位で入職する大学病院と違い、新人さんは多くても10人程度で病棟に数人。
特に新卒採用となるとかなり少ない印象です
あ、中規模病院に関してはかなり個体差(?)があると思います。
地域密着なので地域性もかなり出ます。
看護師の仕事量
単純な仕事量だけでいえば大学病院のほうが圧倒的に多いです。
科にもよりますが治療や検査の種類が全く違います。
個人的な経験でいえば大学病院での主なイベントは
・化学療法
・手術
・透析や透析導入のための指導
・放射線療法
・カテーテル治療
・創外固定や牽引
・ドレーン管理
・レスピ管理
・入院、転入の対応
これらを同時にやらないといけませんでした
それと比べると今は半分くらいです。
そのかわりに自分たちでやらなければいけないことは多く、受け持ちだけやっていればいいというわけではありません。
例えば物品の補充や検査の付き添い、救急車での転院の同乗なども自分たちで行います。
余談ですが、私は救急車の同乗は苦手です。
朝出勤したらいきなり「〇〇さんの転院行ってきて!」って言われたりします。
夜中に来ている患者さんだったりすると、なんの疾患の人がなんのためにここに来てなぜ転院するのかもわかりません。
相手の病院に申し送りをしたり質問に答えるのでいろいろと情報を入れて行くのですが、まぁ高圧的な病院や医師が多く答えられないとかなり怒られたりします。
(直接問い合わせればすぐわかることなのに…)
またエンゼルケアは中規模病院のほうが多かったです
大学病院のメリット、デメリット
・人間関係が楽
人数が多いので良くも悪くも人間関係は薄くなりがちです
新人さんはなど若い人にとっては年齢層が若めなので仲間はできやすいです
同期が多いので情報交換や励ましあったりなどは気軽にできます
・かなり忙しい
個人的にここが1番のデメリット
私は毎日12時間病棟にいない、を目標にしていました(・・;)
救急車もバンバンくるし、手術・化学療法・透析・カテーテル治療やその他検査などが何個も重なり毎日目まぐるしいです
・経験できない手技も多い
意外とできないことも多いです
新人さんが多いため自分が新人のうちにできなかった手技はやるタイミングがなくなることも…
気づいたら3年目なのにやったことない!ってことにもなりかねません
そしてその日の業務に手一杯で、やらせてくださいとも言えない日々…
また、CV挿入などの処置は医師と研修医でいつの間にかやっていたりするのでほぼやったことがありませんでした
他には今は違うみたいですが、私が大学病院にいた頃はルート確保は基本的に医師の仕事でした
なので私は転職してからルート確保の手技を鍛えました(^^;;
さらに、急変が起きるとICUや救急病棟に転棟になることもあり超急性期の経験は案外積めなかったりします。
・高度な医療の経験ができる
良くも悪くも治療特化です
在籍する医師の関係でそこの大学病院でしかできない治療があったりします
院内の設備も最新で新しい治療方法もどんどん入ってくるので最先端の治療経験はできます
・研修が充実している
上記のように新しい治療方法が始まったりするので、研修は多めです
・さまざまな職種のスタッフがいるので看護師業務に専念できる
クラークさん、助手さん、それぞれ検査室には看護師がいるので比較的病棟での看護師の業務に集中できます
(あくまでも比較的ですが…)
・学生や後輩指導の機会が多い
大学病院は入院できるだけでなく教育機関、研究機関でもあります
インターンや実習の学生さん、たくさんの新人さんがくるので指導機会は多いです
特にインターンの学生さんは若いスタッフにつくことが多かったので、私も何度か学生さんを引き連れて仕事をしていました
中規模病院のメリット、デメリット
・残業は少ない
大学病院と比べると残業は少ないです
もともとのイベントの量が違うなと感じます
できることに限りがあるので、治療の種類的には決まったことをやるだけだったりします
・かなり地域性が出る
知らない土地での仕事はメンタルにくるかもしれません
私は地元に帰ってきたとき大学病院と地域密着の病院のギャップに泣きました…笑
なんというか、患者さんに対してもスタッフ間でも距離感が違うんですよね
・看護師がやる業務が多い
クラークさんはいないので書類業務も自分たちです。
私の病院は業務改善でやっと受付で入院申込書を受け取ってくれるようになりました…笑
大きい病院だと検査室にも看護師がいますが常駐していなければ病棟から1人看護師を担当につかせないといけません
・高度治療の経験はほぼできない
設備がないので決まった治療しかできません
最新治療や高度な治療はできないので物足りなさを感じる人もいるかもしれません
・経験する科に偏りがでる
診療科が少ないためどんなに異動しても院内にある科しか経験できないのはデメリットです
幅広い経験を積むには大病院がいいと思います
・集中治療室がないぶん急変は多い
どんなに重症でも病棟で診るしかありません
急変リスクが高いから手厚いICUに行く、ということはできません
・入院時からリハビリ、療養まで他職種との関わりが多い
大学病院のように治療が終わればすぐに転院というわけにはいかないので退院調整が必要です
(大学病院ももちろん退院調整はしています)
そのため他職種との関わりが多いと感じます
大学病院より時間に余裕があることも影響しています
また回復期リハビリ病棟だとさらに(特にリハビリスタッフとの)関わりが多いです
・身だしなみの規定がゆるい
大学病院では髪色や靴下の色、靴まで指定されていました
中規模病院は多少ゆるく、インナーカラーを入れていたりピアスや結婚指輪をする人もいます
靴下の色も指定なし。
もちろん常識的な範囲内ではありますが、かなり明るい茶色でもなにも言われません。
・個人のスキル差が大きい
自分がどれだけ勉強をして知識やスキルを身につけているかで仕事のしやすさが大きく変わる印象です
中途採用者が多いため、それぞれが自分の経験を武器にしていたりします
まとめ
個人的に感じた大学病院と中規模病院の違いを書いていきました。
より忙しいのは大学病院
経験値では治療なら大学病院、急変対応やアセスメントの深さなら中規模病院
大学病院は効率的にたくさんのイベントをこなす必要があり、中規模病院では自分で考えアセスメントをしたり個人のスキルを磨く必要があります。
どこが自分に合っているかは実際に行ってみないとわからないものですが、少しでも参考になれば幸いです!