さまざまな疾患の原因になる動脈硬化
動脈硬化ってなに?動脈硬化の原因は?
今回は動脈硬化について解説します✏︎
患者さんへの指導パンフレットを作るときや関連図を書くときにそのまま使える内容となっているため、学生さんや新人さんはぜひ参考にしてください☺︎
動脈硬化とは
動脈の壁がなんらかの理由で肥厚し硬くなった状態を動脈硬化といいます
普段は動脈血が流れる強い圧力に耐えるため動脈は弾力があります
しかし動脈硬化が起こるとその力を逃せないためどんどん血管が脆くなっていきます
また、動脈硬化によりなにかしらの症状が出ている病態を動脈硬化症と呼びます
最初は無症状ですが、進行するにつれて症状が現れます
症状は?怖いのは合併症!
最初は無症状でも徐々に症状が出始めます
動脈硬化の症状は血流の悪化により起こるため、
・頭痛
・めまい
・足の冷え
・足の痛み
・動悸
などの症状が現れます
しかし動脈硬化の最もこわいのは動脈硬化によって起こる合併症です
動脈硬化は冠動脈、頚動脈、脳血管、腎動脈、下肢動脈など大きい動脈で起きやすいです。
そのため
・狭心症、心筋梗塞
・脳卒中
・腎不全
・閉塞性動脈硬化症
・大動脈瘤
などのリスクがあります
どの血管で動脈硬化が起こっているかで合併症とそれに伴う症状は変わります。
動脈硬化のメカニズム

まずは基本情報から押さえていきましょう!
動脈は外から外膜、中膜、内膜という三層構造になっており静脈より分厚く弾力があります
これは心臓からの圧力に耐えるためです
この内膜の内側は内皮細胞という細胞で覆われています
内皮細胞は血管の拡張、血液中の物質の移動、血栓の制御などさまざまな役割を持っています
この内皮細胞がさまざまな要因でダメージをうけることで動脈硬化は起きると言われています
⇩具体的には⇩
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)は血管に入り込む性質をもっています
入り込むと白血球が悪玉コレステロールを排除しようとやってきて食べますが、その残骸や残ったコレステロールがプラークとなりそれにより血管が硬くなり動脈硬化となります
内皮細胞がダメージをうける(血管が傷つく)ことで悪玉コレステロールが入り込みやすくなり、動脈硬化をさらに進行させる要因となります
動脈硬化の原因は?
動脈硬化は加齢によっても起こります。
その他の要因は
・糖尿病
高血糖により血液がドロドロになることでプラーク形成の原因になる
・脂質異常症
悪玉コレステロールが増え血管に入り込む量が増えることでプラーク形成しやすくなる
・高血圧
血管にかかる圧が強くなり傷つくことで悪玉コレステロールが血管壁に入りやすくなりプラーク形成の要因となる
・喫煙
高血圧、悪玉コレステロール増加の要因となる
・肥満
悪玉コレステロール増加の要因となる
・運動不足
肥満、脂質異常症の要因となり結果的に動脈硬化の原因となる
・家族歴
遺伝的に高コレステロールの人もいるため、家族に心筋梗塞や脳卒中の既往歴がある場合は注意
動脈硬化の改善方法
加齢や遺伝以外の場合ほとんどが生活習慣によるものです
そのため生活習慣を整え、糖尿病や高血圧、肥満の改善に努めます
具体的には
・食事の改善(血液をさらさらにするような食事も大切です⚠️)
・適度な運動
・禁煙
など基本的なことを習慣にすることが必要です
さらに動脈硬化は予防が最も大切です
必要であれば生活指導を行い動脈硬化の予防に努めます
動脈硬化を予防する食品は?
・ビタミンB群
・オメガ3系脂肪酸
・抗酸化ビタミン
を含む食品が効果的です。
具体的には
ビタミンB群:マグロ、サバ、玄米、卵、豆類など
⚠️水溶性ビタミンのため汁物で摂取するのがおすすめ!
オメガ3系脂肪酸:青魚(サバ、イワシなど)、植物油(えごま油、亜麻仁油)、くるみ、魚卵など
⚠️熱に弱いため加熱のしすぎに注意!
抗酸化ビタミン:緑黄色野菜、柑橘類、アボカド、ナッツ類、植物油など
⚠️ビタミンC、ビタミンE、βカロテンを含む食品。ビタミンEは脂溶性のため油と一緒に摂ると吸収率が上がります
その他、抗酸化作用のある栄養素ではポリフェノール、リコピン、アスタキサンチンもあります
まとめ
動脈硬化はいろいろな場面で耳にする言葉です
なんとなく知ってはいてもメカニズムや原因を理解するとたくさんのリスクがあることがわかります
動脈硬化が進むことで様々な重篤な疾患の原因になるため、そうなる前に生活習慣を見直して予防する必要があります
ぜひ参考にしてくださいね☺︎