タップテストってなに?腰椎穿刺について解説!

看護技術

最後には私が硬膜外麻酔をしたときの経験談もありますので、ぜひ参考にしてください!

腰椎穿刺とは?

一言でいうと脳脊髄液を採取するための検査のことです

臨床ではルンバールと呼ばれていますので、以下ルンバールで説明しますね!

髄膜炎、水頭症、脳腫瘍、アルツハイマー型認知症など中枢神経系疾患や炎症系疾患の診断や治療のために行います

ルンバールってどんな検査?

ルンバールは名前の通り腰椎に針を刺して髄液を採取します

検査自体は30分〜1時間程度、検査終了後1〜2時間の安静指示があります

ちなみに…
教科書には「検査後は2時間安静」と書いてありますが、実際に2時間安静にすることはほぼありません。
短ければ30分程、大抵は念のため1時間安静の指示が出ることが多いです。
もちろん検査の状況によるので、安静時間は必ず医師に確認しましょう✏︎

検査は滅菌操作で行われます。

大まかな流れは

消毒→局所麻酔→穿刺→髄液の採取→抜針です

ルンバールの必要物品

・バイタル測定物品

23G注射針 ◎局所麻酔薬

◎シリンジ(局麻が5mlなら5mlのシリンジ)

スパイナル針 ◎消毒 ◎ガーゼ

スピッツ三方活栓

◎滅菌手袋(医師のサイズを確認)

マノメーター(圧棒) ◎穴あき覆布

・防水シート ・検査のラベル

・針捨てBOX ・能盆 ・ごみ袋

・ディスポ手袋 ・テープ

※◎は滅菌操作が必要なもの

スパイナル針

ルンバールの手順

①検査の流れや開始時間、安静時間があるのでトイレを済ませて欲しいことを説明する

②開始時間近くになったらトイレの確認とバイタル測定を行う

③患者さんの体位を整える

・患者さんには左側臥位になってもらい、膝を抱えるように丸まり視線はお腹を見るように伝えます。
・背中の衣服を胸あたりまでまくり、ズボンも仙骨付近まで下ろして消毒で汚れないよう防水シートを当てます。
腰の下にも防水シートを敷きましょう。
・患者さんにはベッド端ギリギリまで下がってもらいます。
・医師が来るまでは布団をかけておくなどプライバシーに配慮します。
・枕は外してもらいますが体勢が辛ければ医師がきてからでもよいです。

⚠️左側臥位の理由は右利きの医師が多いからです。

患者さんの状態や事情によっては別の体位で行うこともありますが、基本的には左側臥位になってもらい指示があった場合のみ対応すればいいと思います。

④ベッド周囲の環境を整える

・医師が座ったときの目線くらいになるようにベッドの高さを調整します
・医師は座って検査するため医師用の椅子を置いておきます
・物品や自分がベッド周りを通れるように調整します。

私はこの時点で必要なものがすぐに手に取れるように物品をお店のように並べています…笑

⑤検査の介助を行う(物品を出すまで)

医師がきて体位やベッド高さの最終調整をしたら検査開始です。

物品は清潔操作で医師へ渡します

このあたりのやり方は病院のマニュアルに記載してあるので、ここではワンポイントを解説します

・マニュアルには帽子や滅菌ガウンの記載があるかもしれませんが、あまり使う印象はありません。準備だけしておいてその場で確認するか先輩に聞いておきましょう
・まず物品を全部出してから患者さんの体位保持の介助をします
・物品は覆布の上か滅菌手袋の包み紙の上に出すよう言われることもあります。
包み紙の場合面積が小さいので不潔にならないように注意!

⑥検査の介助を行う(出し終わってから検査終了まで)

物品を出し終わったら患者さんの前に移動し、姿勢の保持の介助、声かけ、観察を行います

・医師から初圧を伝えられるので覚えておくかメモします
あとで記録に残すときに必要です!
・髄液採取中は患者さんに話しかけるようにします。圧がかかって髄液がスムーズに排出されるので検査時間の短縮になります
・髄液を採取したスピッツを渡されたらラベルを貼ります(検査項目によって規定量があるので、どのスピッツにどのラベルを貼るか確認!)

⑦患者さんの衣服を整えてバイタル測定と検査後の説明を行う

針を抜いたらガーゼをあてテープで固定します。

医師に安静時間の確認をして患者さんへ説明します。

寝返りは可能ですが、枕は使わずに起き上がらないように説明します。

ベッド周囲の環境を整えます

⑧検体を提出と記録

記録にはバイタル、髄液の性状、提出した髄液の総量を記載します

要注意の合併症と観察ポイント

タップテストによる合併症で注意するのは低髄圧症です

低髄圧症については水頭症の記事で解説しているのでそちらをご覧ください

観察ポイントとしては、頭痛や嘔気の有無、検査による気分不良がないか観察や声掛けをします。

また、スパイナル針を穿刺したときに神経に触れると大腿部の痺れが起こることがあります

医師も注意してみている部分ですが、痺れの訴えがあったらすぐに医師に伝えましょう

検査後は穿刺部の異常(出血、発赤、腫脹、滲出液)がないか観察します。

ルンバール実施時の看護

ルンバールは患者さんの背後で行われるため、患者さんは不安になりやすいです

そのため、検査の前には検査の様子がイメージできるように説明を行います。

検査中は髄液の排出を促すため世間話をしたり、今の検査状況を伝えたり気分は悪くないか等観察します。

検査のリスクや合併症は医師から説明がされていますが、検査終了後退室する前に改めて簡潔に頭痛や吐き気等の症状があればナースコールを押すように説明します

硬膜外麻酔の経験談と感想

私は出産時に無痛分娩のため硬膜外麻酔を2回経験しました

硬膜外麻酔も腰椎に穿刺してカテーテルを通して麻酔を注入します

この項では穿刺時の痛みや感覚、感想を紹介します

痛みはあるか?

スパイナル針で穿刺をする前に局所麻酔を行いますが、個人的にはこの局所麻酔を注入するときに痛みがありました。

針を刺すときは特になにも感じませんでした(もちろん痛がる人もいます)

注入時には内側からズーンという重い痛みを感じました

その後麻酔が効いてからは痛みは一切ありませんでした

感想

私はどんな流れでやるのか知っているのでそこまで怖くはないですが、全ての作業を背中側でやっているため全く知識がない状態で検査を受けるのはストレスが大きいだろうと想像できました。

個人的には痛みはそれほど強くなく、麻酔を入れるときの重だるい痛みだけでした。

まとめ

長くなりましたが、以上がルンバール実施時の流れです。

基本的には手順は施設のマニュアルに従い、あとは回数をこなすうちに自分なりのやりかたができてきます☺︎

患者さんにとっては見えないところで行われる検査のため、検査中もこまめに声掛けをすることで安心に繋がります。

自分のことで精一杯になりがちですが、物品を出し終わったら患者さんの様子をしっかりみて不安を和らげてあげましょう!

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